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Posted by たまりば運営事務局 at

2015年12月18日

燃えて咲くのは命か花か 三岸節子展

先週、吉祥寺武蔵野美術館で開催中の『生誕110年記念 三岸節子展 私は燃えつづける』を拝見した。

正直、それほど積極的に「好きだ」と思っていたわけではなかった。
花ならば花とわかる絵の方が好みなもので(自分、単細胞)。
と、過大な期待なしに美術館へ足を踏み入れた(自分、上から目線)。
しかし「なんて深みのある色・・・」。
だんだんと三岸節子の世界に引き込まれてゆく。

画の題名に「花」を含むものが何点もあった。
「題名に花と書いてあるから花なんだろうなぁ」と思うくらい花離れしている。
節子自身「花は生涯書き続けるでせう」とインタビューに答えている。そしてまた
「花は命そのもの」とも。
そうか、描かれているのは花であり、命でもあるのか。
このあふれるような、ほとばしるような形の意味が、少しわかったような気がした。

今回拝見したなかで、唯一花の名前がつけられていたのは『さいたさいたさくらがさいた』。
「この年になってやっと、さくらの恐ろしさ、美しさを描ける気がした」というこの作品が描かれたのは、三岸節子93歳。
さくらの、そして、命の恐ろしさ、美しさが描かれた作品のさくらは、力強く、恐ろしく、妖しく、美しい。
これが遺作。

翌年に描かれた絶筆の一枚。ここに描かれていたのも花だった。

吉祥寺武蔵野美術館で2015年12月27日まで。
『生誕110年記念 三岸節子展 私は燃えつづける』の詳細はこちら
  


  • Posted by エルダベリイ at 09:13Comments(0)多摩